「007/スペクター」寸評〜最後のダニエルボンド

※ ネタバレあるよ!


遅ればせながら、「007/スペクター」を視聴。ダニエル・クレイグ演じる007の4作目だ。

これが最後のダニエルボンドになるだろう。

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物語の終盤。

橋の真ん中で、ボンドは、瀕死だが、殺しても殺したらないほど憎い敵と相対する。
橋の一方には上司であるMが、もう一方には、ヒロインであるマドレーヌがいる。
敵を生かすも殺すもボンド次第。息を飲む場面だ。

結局、ボンドは敵を殺さない。
そして、「殺しの世界」にいるMに背を向け、「平和の世界」にいるマドレーヌの元へと足を運ぶ。
物語中の、Mの「殺しのライセンスは、殺さないライセンスでもある」という言葉がふと蘇る。
橋を、此岸と彼岸を分ける道具として実にうまくつかっている。


ダニエル・クレイグはインタビューのなかで007を演じることを死ぬほど嫌がっている。役作りのためのストイックな生活に嫌気がさしたと書かれているが、果たしてそうだろうか。

今回の物語で、ボンドの中でも、ダニエルの中でも007は「終わって」いるのだ。
現実と物語がリンクしている。
これほど理想的なことはないだろう。

ハリウッドの続編で金を稼ごうという姑息な手段にのり、「ダニエル007、続編決定!」の見出しが躍ることがないよう願ってやまない。