ステキじゃない金縛り

いま、テレビで三谷幸喜監督の「ステキな金縛り」を見ている。

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三谷監督の作品は、どれもハートフルな作品で嫌いではないのだけれど、この「ステキな〜」の主人公・宝生弁護士(深津絵里)はどうもハナにつく。

「ステキな〜」を見ていて、ふと思い出したのがティム・バートン監督の「スリーピー・ホロウ」。この両作は、同じオカルトを扱っているが、光と影のように対極に位置しいるように思う。

スリーピー・ホロウ」では、裁判において非科学的な方法(拷問による自白)が横行する世の中に、主人公は科学的方法を持ち込もうとする。
逆に、「ステキな金縛り」では、主人公は自身の正しさ、被告の無罪を証明するために科学全盛のこの時代において、非科学的な存在(幽霊)を利用することも辞さない。

宝生弁護士の事あるごとに鬼の首を取ったように、目をキラキラさせながら、周囲を引っ掻き回す姿は見ててかなりイタい。傲慢ですらあると思う。

しかも、裁判で不利な局面になり、恋人よりも幽霊に気を遣い、恋人には八つ当たりするは(結局、愛想を尽かされ出ていかれてしまう)。死にかけている上司に無茶な要求をするは。傍聴席にいる人間を証言台に引っ張り出すは…。

どうもこの主人公は、チャイルディッシュなのだ。最後まで見られるのはひとえに、小佐野弁護士(中井貴一)の存在が大きいだろう。

この物語は、一見、「科学対オカルト」「論理対情」という構図でありながら、実は「大人対子ども」なのではないかと思う。これは宝生弁護士の成長物語なのだ(あんまり成長しているように感じられなかったけど)。


蛇足
エンドクレジットを見て気づいたのだけど、小佐野弁護士の愛犬、ラブの声、山寺宏一が当ててるんだ(笑)