「泣く」女

8月中旬、東京藝術大学大学美術館の「うらめしや~ 冥途のみやげ」展に行ってきたのだが、今更ながら印象に残ったことを振り返ってみる。


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鰭崎英朋「蚊帳の前の幽霊」


この展示では、明治時代の噺家三遊亭圓朝のコレクションを中心に、国内有数の幽霊画が公開されている。

おもしろいもので、怖い幽霊とそうとでない幽霊とでは歴然とした差がある。

上手くない(お前、何様だという感じだが…)人が描いた幽霊は、「怖い」というよりも、どこかユーモラスなのだ。そういう絵は得てして目を大きく見開き、口をだらりと開け(歯が黒く塗られている)、「うらめしや」のポーズをしているものが多い。

片や、「怖いな」と思わせる幽霊は、自身の感情を表に出さない。怨みや怒り、悲しみの感情を表立っては出さないが、細かいしぐさ、それと目(そう!目なのだ!)にはそれが滲み出ている。そこが怖い怖くないの差だと感じた。

上手い幽霊は、心のなかで泣いている。