伊達めがね日和

いろいろこじらせてしまった28歳眼鏡好き男子(独身)。読書、映画、美術、仕事、恋愛等々、見たまま気ままに語ります。

塩田先生と雨井ちゃんの距離感〜『塩田先生と雨井ちゃん』の感想

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これは高校の国語教師、塩田先生と生徒、雨井ちゃんの秘密の恋の物語である。

 

ちょっとレトロな絵柄で、コメディタッチに話は進んでいく。

 

この作品の面白いところは、二人の間のちょっとした「ズレ」(この言葉が適当かどうかわからないが、とりあえず今はこの言葉を当てはめておく)だ。


雨井ちゃんは、先生に夢中なのだけど、なかなか自分の思いや悩みを素直に伝えられず、時に暴走する。先生は雨井ちゃんの暴走にスマートに対応できればいいのだが、トンチンカンな対応をしてしまう(まあ、それでも充分かっこいいのだけど…)。

 

たとえば、

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(「お年頃」より)

 

 

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(「海」より)

 

 

あと、作品中の二人の会話が絶妙に面白い(特に一番最後の会話のハズし方(?)なんか大好きである)。

 

 

先生 「オイ、いくらなんでもおかしいだろ。出すぎだろ。お前のときだけ出すぎだろ、ゴキブリ。しかもお前…もはや泣いてねーし。何考えてんだ」

雨井ちゃん 「ち…違うんです、ゴキブリ先生」

先生 「誰がゴキブリ先生だ」

(「先生の家」より)

 

 

雨井ちゃん 「今年は私…」

先生 「うん」

雨井ちゃん 「先生と一緒に…」

先生 「うん」

雨井ちゃん 「クリスマスイヴは…」

先生 「うんうん」

雨井ちゃん 「一緒に過ご…すご…すご……すごろくしたい!」

      注釈:本当は「一緒に過ごしたい」と言いたかった。

先生 「すごろくかー…。家にあったかなぁー。よし!探しとく!(キメ顔)」

雨井ちゃん 「はい!お願いします!(あーん、どうか24日までに世界中のすごろくが消滅しますように)」

 (「クリスマス」より)

 

 

先生 「お前って黒い服しか着ないよな。なぁ、聞いてるか?おい、雨井」

雨井ちゃん 「えっ、あっはい。私も愛してます」

先生 「そんな話はしていない。黒い服ばっか着てるって言ったんだよ」

雨井ちゃん 「先生が?」

先生 「お前がだよ」

(「ホワイトデー」より)

 

 

この作品にあるのは、「大人と子ども」という単純な構図ではなく、「子どもみたいな大人と早く大人になりたい女の子」という構図なのである。

今後、雨井ちゃんが大学生になり、二人の関係性がどのように変わっていくか気になるところだが、二人の前途を祝福せずにはいられない。